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ゴーシェ病患者さん・ご家族のお話

ゴーシェ病患者さんのお話① Ⅰ型

18歳でゴーシェ病と診断された私も50代になりました。
この病気とともにここまで過ごして来られたことに感謝しています。

「日本ゴーシェ病の会」会員

50歳代女性:18歳でゴーシェ病(Ⅰ型)と診断

少しの異常はあるものの、自分が病気だなんて思ってもみなかった

正直なところ、私は自分が病気だなんて夢にも思っていませんでした。確かに小学校の高学年になった頃からよく鼻血が出るようになり、出始めると1~2時間も止まらなかったりして、病院に行ったこともあります。鼻血以外にも、歯医者さんで歯を抜いた後、なかなか血が止まらなかったこともあったので、血が出やすく止まりにくい体質であるという認識はありました。
中学生の時、血液検査で貧血が見つかり、病院に行って鉄剤を注射してもらいました。後から思えば他の子より疲れやすかったような気がします。
高校では運動部に入り、みんなと変わりなく活動していましたが、周りに比べて身長は低く、部活の練習中によく右の脇腹が痛くなったりしていました。また、ウエストが太かったのですが、自分では太っているのだと思っていました。修学旅行の宿泊先でも、鼻血が止まらなくなり、飲んだ血を嘔吐したため先生が驚いて救急車を呼んでくれました。病院で処置を受けて、私だけ先に帰って来たということもありました。

内定した会社の健康診断をきっかけにゴーシェ病と診断される

診断の契機は就職時の健康診断でした。憧れの会社に内定し、そこで働いている自分を思い浮かべて胸を弾ませていたのですが、健康診断で思いもよらず再検査が必要とのことでした。病院での再検査の結果、両親は先生に白血病かもしれないと言われたそうです。入院し、精密検査が始まりました。私は「どうしてこんな健康なのに入院する必要があるんだろう」と気が焦るばかりでしたが、その入院でゴーシェ病と診断され、聞いたこともない病名に私の頭は混乱しました。
転院して詳しく調べていただいたところ、血小板の数が2万程度にまで下がり、脾臓や肝臓が腫れているとのことでした。特に脾臓は3kgにまで達していたようで妊娠6ヵ月のお腹だと言われました。脾臓の摘出手術を受け、ウエストが細くなり、出血傾向や貧血もよくなりました。しかし当時はゴーシェ病の治療法は特になかったため、その後できることと言えば1年に1回病院へ行って検査を受けることぐらいでした。

准看護師として働きながら、結婚、出産

残念ながら内定していた会社には就職できませんでした。その代わり、入院中にベッドで寝ている自分の周りで看護師さん達がイキイキと働かれているのを見て看護師という仕事への憧れが大きくなっていきました。退院後、すぐに看護師になる勉強を始め、准看護師の資格を取り、働き始めました。
そのうちに主人と出会い、結婚が視野に入ってきた頃、正直に病気のことについて話した上で、結婚し、2人の子どもに恵まれました。幸い、子ども達はゴーシェ病ではなかったことが成人前の検査で分かり、とても安心しました。

酵素補充療法のおかげで仕事も続けられています

ある日、お世話になっていた病院から「ゴーシェ病の治療ができるようになった」という電話を頂いて、早速、酵素補充療法を始めることになりました。治療を始めるにあたり、改めて検査してもらったところ、ヘモグロビン値が低く、自覚症状として、疲れやすく、手首や背中をひねるとつったような痛みがあったのですが、酵素補充療法を始めたことで、ヘモグロビンの値は改善し、自覚症状も軽快しました。それ以来、2週間に1回の治療を続けています。
今は、准看護師の資格を活かし、障害を持った子ども達を学校が終わってから預けられる放課後デイサービスの施設で働いています。職場の仲間には特定疾患の持病があるという程度を伝えており、2週間に1回通院しなければいけないので、上司には病気のことを話して便宜を図ってもらいながら治療と仕事を両立させています。
身体を急に動かそうとすると痛みを感じることがあるので、放課後デイサービスの仕事で子ども達と一緒に体操や運動をすることはよいリハビリになっています。

やりたいことがいっぱいです

今の楽しみは、友達とコンサートに行ったり、趣味の旅行でパワースポットをまわったりすることです。長男は東京での就職が決まり、これから家を出て新しい生活を始めます。長女は東京で劇団に入ってがんばっていて、公演があった時には観に行きました。2週間に1度の酵素補充療法のタイミングを外せば、どこで何をしていてもよい自由な生活を満喫しています。
今後のことについては、どのように症状が進展していくか、もちろん不安ですが、この病気をかかえてここまで普通に過ごして来られたことに感謝する気持ちの方が大きいです。

同じ病気を抱えた仲間にも自分の夢を追いかけて欲しい

私が18歳で就職が内定した時、健康診断で、問診票に貧血があるなどと書かなければ、ゴーシェ病は見つからず、そのまま就職できたかもしれません。でもゴーシェ病の症状に悩み続けながら、仕事、結婚、出産することは到底無理だったと思います。あの機会が、私にとってゴーシェ病と診断されるきっかけとなり、その後の適切な処置・治療に導いてくれたのだと思っています。
おかげさまで私は、ゴーシェ病だからといって何も諦めずに生きてくることができました。やりたい仕事に就き、結婚、出産、そして子育ても経験してきました。このような一生の仕事、そして一生を共に生きていく家族に出会えたことは本当に幸せと感じています。